こんばんは。小西正尚です。
前回は私の昭和コレクションの「スターめんこ」をご紹介させていただきました。
久しぶりに子供の頃の懐かしいグッズを眺めていると、当時の色々な思い出が蘇ってきました。
今日は映画のエピソードと、そして父についての思い出を書きたいと思います。
鰊御殿で上映されていた無声映画
60年ほど前でしょうか。
鰊御殿の向かって左側の蔵、
現在は「蕎麦処 鰊御殿」となっている建物で、無声映画が上映されていたのを観た記憶があります。
まだ幼かったので詳しい内容は覚えていませんが、メガネをかけた弁士に寄るチャンバラの無声映画だったと思います。
おそらく私が生まれて初めて映画というものを観たのは、この場所でした。
月に数回の映画上映が楽しみだった子供時代
その後、現在の歌棄洗心学園の旧運動場で、月に1度か2度、映画が上映されるようになりました。
まだテレビも無かった時代です。
当時の子供達は、海で魚を釣ったり、潜ってアワビやウニやツブを採ったり、焚き火をしたり。
裏山で木の実を食べて、木登りや昆虫採集をしたり。
1日中、海や山で遊んでいました。
そんな私たちにとって、映画は唯一のエンターテイメントでした。
新しい映画のビラが民家の軒下に貼られているのを見つけると、下校の途中に立ち止まっては、隅から隅まで食い入るように見入ったものです。
映画のビラを貼っていた民家のおばあちゃんにお願いして、当時の映画のビラを集めていたはずなのですが、今は行方不明になってしまいました。
残っていれば、映画ファンの目が飛び出るようなトンでもないレアものも中にはあったと思います。
映画を観るために、片道4キロを歩いた
私たち一家は、私が10歳になる頃まで、ご先祖が所有していた種前のレンガ倉庫に住んでいました。
(この私が生まれ育ったレンガの建物については、また後日詳しくご紹介します。)
人気スターが出演する映画を観るためには、片道4キロほどの道のりを歩いていかなければなりませんでした。
行きは張り切って、子供の足で頑張って歩いて行きました。
映画が終わると、外はもう夜です。
今のように街灯もありませんから、本当に真っ暗なんです。
亡き父の肩車の思い出
映画が終わった帰り道。
真っ暗な砂利道を、今は亡き父が肩車をしてくれました。
不思議なことに、子供の頃の感触や記憶というのは、そういった小さな一瞬を鮮明に覚えているものです。何か、五感に残るような感覚です。
映画を見終えた後の幸せな疲労感と、父の肩の大きさと温もりの感触。
父の肩の上で揺られながら、目を閉じると聴こえるのは、
父の足が砂利を踏みしめる音、
耳の後ろを寿都の風がヒューヒューと通り抜ける音、
夜の海の静かな波の音。
虫の鳴き声。潮風の匂い。
父に肩車してもらっている心地よさと、安心感。
私はその時、とても幸せだったんだと思います。
今でも本当に懐かしく思い出されます。
スターめんこが思い出させてくれた、小西正尚の思い出でした。
ブログを読んでいただきありがとうございました。
小西正尚
Konishi Masanao